カヌー・カヤックの違い

カヌーとカヤックという名称の違いの理解から始めましょう。

一般的にカヌーということばは知っていてもカヤックって初めて聞いたという人は多いでしょう。

日本やヨーロッパではカヌーという言葉が使用されていることが多いようですが、

アメリカではシングルブレードのパドルを使うものがカヌーと呼ばれます。

また、ダブルブレードのパドルを使うものがカヤックとして用語を使い分けています。

日本でもカヌー競技などをみるとはっきりと使い分けているのがわかります。

カヌー、カヤックそれぞれにオープンデッキのものとクローズドデッキのものとがあります。

一般的にはカヤックはクローズドデッキのものに代表されますし、

カヌーはオープンデッキのものに代表されますが下図のようになります。

またそれぞれの特性によってホワイトウォーター用のものと静水用のものとに分けられます。

たとえばホワイトウォーター用のカヌーは膝立ちの状態でバランスを取りながら漕ぎます。

膝立ちのことをニーリングと言っていますが、腰を浮かした正座状態ですね。

より運動性能を高めるためにサドルやぺデスタルに腰掛けてニーリングをし

大腿部にストラップをつけることで体の動きに艇が反応しやすくしています。

流れが速く瀬の多いところを行くタイプのカヌーなので水が入ることも沈する危険性も高く、

そのため艇の前後にすっぽりと浮力体をいれることで水が入る量を抑え水没を防ぎます。

またロッカーが大きく付いている物は回転性能がよいといえます。

静水で使用するタイプのオープンデッキカヌーは椅子がついており

そのためストラップをつけずまたニーリングしないで漕ぐことになります。

(上の図のカヌーは椅子のついた静水用カヌーのイラストです。)

言い換えれば、運動性能が低いカヌー( 安定性はいいです )だとも言えるわけで

この静水タイプのカヌーでホワイトウォーターをいくのは無謀と考えていいでしょう。

もし静水タイプのカヌーでクラス3以上の川に漕ぎ出そうとするカヌーイストがいれば

プットインの前に無謀な行為に対して一言注意することが必要になります。

といってもほとんどの無謀カヌーイスト無謀カヤッカーは聞く耳持たずですが。

次にカヤックですが、まずオープンデッキカヤックにはダッキーと呼ばれるゴムボートや

シットオントップといわれる艇があります。従来のカヤックには無かった開放感と

エスキモーロールが苦手という人々の熱烈な指示を得ているタイプだといえます。

幅も広い物が多くそのために安定しています。ただ、幅が広い分パドルも

長い物を使わなければ漕ぎにくくなりますし、悪い癖がつきやすいものです。

ここでいう悪い癖とは艇のローリングのことです。ローリングに関しては

用語解説 艇の運動に書きましたのでそちらをを参照してください。

このオープンデッキカヤックにもホワイトウォーター用と静水用とがあります。

水が自然に抜けるように作られている物を購入するようにします。

セルフベイラー機能というのがそれで、

セルフベイラータイプでない物は水没の危険がありますので

ホワイトウォーターでの使用の際には必ずセルフベイラーの艇を使用します。

また水出しの手間が無い代わりに注意することとして

体がむきだしなだけに怪我をしやすいと考えて準備しましょう。

ロールをしないということはホワイトウォーターで沈した場合、

岩に体をぶつけやすいということになります。

また足が剥き出しになるため夏の炎天下で肌を露出したままだと

日焼けどころかやけどをしてしまいます。

サンスクリーンで防護するのはもちろんですが、

できるだけ肌を露出しない服装で楽しむように指導することが必要です。

また、ダッキーを選ぶ際は空気を規定の圧力で入れたときに

柔らかい感じのする物は購入しないようにします。

というと抽象的ですが、水に浮かべて乗ったときに柔らかい感じの艇は

真中からぐにゃりとしなってしまうことがあります。

これは艇の設計段階からの剛性が低いからおこるので

設計ミスといっても過言ではありません。

場合によっては真中から折れて人を乗せたまま水没する事だって考えられます。

こうなった場合自力で艇から抜け出すのは不可能にちかく

溺死を覚悟する必要があります。

てのひらを合わせた形の中に自分がいるところを想像してください。

その手のひらは水圧で両側からしっかりと閉じられているところが想像できれば

いかに危険かはわかっていただけたと思います。

では意に反してダッキーが人を閉じ込めたまま折れてしまった場合どうしますか。

答えは多少荒っぽいかもしれませんが切ってしまうのです。

もちろん空気の抜けたダッキーがからまってしまうことも考えられますので

そこの判断は状況により変わってくるでしょうが、

空気が抜けて体を圧迫しなくなれば逃げ出す可能性は高くなります。

想像できなかった方は脳みそをもう少し柔らかくしましょうね。

インストラクターはイメージングが大事な職業です。

いろいろな可能性を考慮してどのように対応するのがよいか

常にイメージし、答えを見つけることができなければ講習会を受けに行きましょう。

きっと新しい知識はインストラクターとしての質を高めてくれるでしょう。

ともあれ、やはり物の値段と性能は正比例していくと考えていいかと思います。

予算の許す範囲でよりよい性能のものを求めていく方がいいでしょう。

とくにこのダッキーを選ぶ際にはよくよく考えて性能のよい物を選ぶようにしましょう。

このオープンデッキカヤックはほかに

サーフカヤックといわれる海でサーフィンをするための艇もリリースされ

世界大会も開かれていて発展しつつあるカテゴリーです。

クローズドデッキカヤックはスプレースカートという水よけをつけて

艇のなかに水が入らない様にします。

静水用、ホワイトウォーター用と あまり分けずに使用することが可能ですが、

沈したときにスプレースカートをはずして脱艇する練習をしなくてはなりません。

いきなり沈した場合、いかに泳ぎの達人といえどもパニックになるのは必至です

イロイロと理由はあるのでしょうが一番多いのは

体が固定されているため艇から出られないと錯覚を起こすようです。

実際には体は固定されておらず十分に息が続く間に出て来れるのですが、

さかさまになって水に入るというのが恐怖をあおるのでしょう。

静水で脱艇の練習を十分に積んでください。

そのときに注意するのは焦って横から出ようとせず

ズボンを脱ぐようにコクピットの後ろ側を押して

まっすぐ出るのが大事です。

横に出ようとすると足が引っかかってかえって思うように出られません。

またすねなどを怪我することもありますので、

まっすぐにでて体が艇からすべて出てしまってから水面に向かうようにします。

講習生やツアーメンバーの使用する艇に注意して

フィールドに適した艇を使用するように指導しなくてはなりません。