ではヘルメットの役割についてお話します。
カヌーやカヤックなどの水に関する遊びの中で使われるヘルメットには
一目でわかるひとつの大きな特徴があります。
それは上のイラストにもあるとおり穴があるということです。
ときにあなのないのも在りますが、基本としては
穴あきのヘルメットを使用してください。
じゃあ何故穴あきヘルメットがいいのでしょう。
答えは簡単。水が抜けるからです。
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工事現場で使われるような穴のあいてないヘルメットは
流水ではバケツを被っているのと同じです。
川の流れの中で頭にヘルメット型のバケツを被って流されている姿を想像してください。
頭が水の上に出ている間は問題は少ないでしょう。
でも川をどんどん流されてホールに入ってしまいました。
逆巻く波の中に2度3度と引きずりこまれてしまいます。
バケツの中には水が入って重くあなたは水の上に頭を出すことができません。
重石となっているヘルメットを脱げば頭を出すことができますが
ヘルメットを脱いでしまえばそばの大きな岩に頭をぶつけて
大怪我をすることは必至です。
穴のあいたヘルメットを被っていれば水が抜けていくので軽く、
なおかつ岩に当たっても頭を守ってくれたはずです。
さてあなたはこの状況のとき穴の無いヘルメットを被っていたことを
後悔せずにいられるでしょうか。
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この状況設定が大げさだなぁと思ったあなた。
あなたはまだ経験不足なだけなのです。
もしくは知識不足と言ってもいいかもしれません。
ホワイトウォーターでは沈することは当然起こり得ることですし、
脱艇した後大きなホールにつかまってしまいぐるぐると回されてしまうことは
誰でもが遭遇し得る危険なのです。
ホールができているということは大きな岩が川底にあるということを意味しています。
いつもいく川の水位がほんの50センチ上がっただけでも
危険度は計り知れないほど増すのだと覚えていてください。
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ヘルメットの中には空間がかなりあります。
プラスチックでできたアウターシェルの中に
フォーム材で頭にフィットするように隙間を詰めているだけですから
きつすぎるところも在れば、隙間が大きいところもあるわけですが
なおかつ髪の毛がヘルメットとのあいだに隙間をつくってしまいます。
そのため水没したときにはそれらの隙間に水が入りヘルメットが重石となってしまうのです
首は脳とあなたの体をつないでいるとても大切な器官です。
非常に重大な役割を担っているにもかかわらず
非常に華奢にできています。
この大事な首の上に重石をおいて振り回されたくはないでしょう。
だから水抜けの良い穴あきのヘルメットを被らなくてはいけないのです。
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ヘルメットは穴あきのものを買うのだと納得していただけたところで
(納得できていない方はホワイトウォーターには出ないで下さいね)
よくやる間違いがあご紐です。
ヘルメットを被っているにもかかわらずあご紐を締めていない人がいます。
もしくはゆるゆるであご紐の役を果たしていなかったりします。
オートバイなんかでよく見る頭に載せただけというやつです。
はっきりいってバカですね。
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苦しいのなら苦しくない加減をして装着すべき安全装備です。
頭を岩にぶつけた時の痛みとあご紐の圧迫感との
どちらがこの人にとって快適なのか理解に苦しみます。
自然をなめてかかったら痛い目にあうどころか
命を落としかねないのだとくれぐれもお忘れなく。
あなたの同行者があご紐をしていなければ注意してあげましょう。
もしツーリング中にあご紐のせいで怪我でもされた日には
せっかくのダウンリバーがだいなしです。
まさか自業自得とほっとくわけにもいかないですからね。
ころばぬ先の杖、怪我する前のあご紐です。
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筆者自身アメリカのオコイリバーで沈した拍子にあご紐がはずれたことがあります。
このヘルメットはスナップ止めのあご紐を使っていて、
沈して顔をデッキに伏せたときの圧力でスナップが外れてしまいました。
(この時の体験からシッカリと締まるものをお勧めしています)
岩が背中にあたるほどの浅瀬で階段状になっていた場所での沈だったので
ヘルメットがはずれれば頭蓋骨陥没まちがいなしの場所でした。
実際流されながら岩に当たって服の上からでも肩を切ってしまうほど流れが強く、
後頭部にも何度も岩が当たってヘルメットが外れかけたのです。
まだまだ初心者のころでロールもやっと上がるようになったばかり・・・。
一度で確実に上がらないと危険な状況下でヘルメットをどうしたらいいのか・・・。
ロールできたからよかったようなものの
本当に九死に一生を得るという経験でした。
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この講座を読んでくれているあなたには少なくともヘルメットが原因で
危険な目にあわずにいたもらいたいと願ってます。
楽しいレジャーだからこそ怪我せずに家まで帰りましょう。
ちなみにロデオなどでよく使用される穴の無いタイプも
ホワイトウォーター用として販売されています。
ロデオでは見た目重視ですからファッション性を第一義として
選んでいるのだと思います。
このタイプは概してプラスチックではないがそれなりに軽い素材のものが多く
〔 でもプラスチックの方が軽いのは間違いないです 〕
グラスファイバー製だったりカーボンやケブラーを使った物まであります。
これらのヘルメットは自分でフォーム材を貼り付けて
よりフィットするように加工して被るのが正解ですから
水も幾分たまりにくいかもしれません。
しかしこのタイプでの事故例がありますので参考までにご紹介します。
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このタイプのヘルメットで怪我をした状況を説明しますと、
この穴の無いヘルメットでホールに巻かれた段階で
ヘルメットが後ろにずれて額が露出してしまったそうです。
そのままホールに巻かれるうち額を岩にぶつけてしまって
水から上がったときには額はバックリと切れていました。
もちろん救急車ですぐに病院で縫合されました。
髪の生え際だったので傷跡も余り目立たなくてすんだとのことでしたが
この事故はヘルメットに穴があいていて水が抜けていれば起こらない
事故だと言えるのではないでしょうか。
このヘルメットを販売したショップのインストラクターは
このタイプの事故の可能性について説明をしていませんでした。
「かっこいいよ」 「流行ってるよ」 の裏にある危険性を
きちんと説明できるのがインストラクターです。
商品を売りたいがためのトークしかしない店員になっちゃいませんか!?と
このヘルメットを販売したインストラクターには言いたいですね。
あなたはどのタイプのヘルメットを選びますか??